私は、Web制作会社をやっています。
Web制作を行う上で、契約書を交わしており、そしてカスタマーサービスについてもその契約書に書かれています。
しかし、結果的にどこまでアフターサポートをすればいいのかわからない状態に陥っています。
まず、Web制作を行い、そして納品をした際に、お客様自身でカスタマイズをした場合には、アフターサポートの対象外になる旨を伝えています。
ところが、お客様自身でカスタマイズをしたつもりがないというケースもありますし、またカスタマイズをしたのにもかかわらず、その状況を詳しく見ることが出来ないため、「本当にこちらの不手際なのか、お客様自身でのカスタマイズによるトラブルなのか」という点で判断しにくい部分があります。
後者の場合はアフターサポートの対象外なのですが、お客様からすると、ちょっとしたトラブルなら、プロにいえばいいだろうと思っておられますので、別料金をすんなりと支払ってくれる方は少ないのです。
また、どこまでカスタマイズされたのかという点をお客様にいったとしても、それを答えてくださる方は少なく、すぐにトラブルをなんとかしてほしいという方が多いです。
なので、結果的に対応に追われることになってしまい、「どこまでアフターサポートをすればいいのかわからない」という事態に陥っていて、困っています。
北野さん
北野さんの会社はアフターサポート(カスタマーサービス)を行っていて契約書は作られているようです。
すべてのアフターサポートをしている訳ではなく、お客様が勝手にソースをいじったりカスタマイズした場合はサポート対象外としている。
しかし、境界線があいまいなため揉めることがあるようです。
今回はWeb制作会社のアフターサポートの線引きについてご紹介します。
どこまでアフターサポートをするかはWeb制作会社次第。しかし線引きは明確にしておく
どこまでアフターサポートをするかは、Web制作会社次第になってしまいます。
人や時間、お金に余裕がある制作会社と余裕がない制作会社では、どこまでアフターサポートできるかも違ってきます。
線引きで大切なのはどこまでアフターサポートに含めて、どこからは超過サポートとするか?を明確にしておく必要があります。
例えば、トラブル対応にかかった時間などにも決めておく必要があり、16時間以内に解決したトラブルはサポート内だけど、解決に16時間を超えるトラブルは超過料金をいただきます。
などです。これを決めないと解決に1週間要しても月額サポート料金内になってしまいます。
トラブルが複雑で特殊な技術が必要だったり、自社内で解決できず外部に頼まないといけないトラブルなども超過サポートとして請求しないと、どこまでも月額料金内では厳しいでしょう。
あと、WordPressなどのソフトウェアを使っている場合は、バージョンアップによって起こったものをどうするか?すべてアフターサポートでやるか?一線を越えたら超過サポートをいただくか?
例えば、WordPressの場合、公式ディレクトリのテーマやプラグインは「3バージョンまでは動作を保証するように……」と言われています。
それに習って、メジャーバージョンアップ3つ(たとえばバージョン5.0で作ったものなら5.2)までに起きたエラーに関しては月額サポート料金内でやりますが、それ以降は超過サポートになります。などです。
上記に似てますが、ブラウザやOSもどこまで対応するか?IEやWindowsならマイクロソフトがサポートしている間は対応しますが、サポートが切れたら未対応もしくは超過サポートとします。などです。
会社でアウトラインが決まってないと、人によって違ったりすると揉める元なので、会社でどこまでやるかはキチンと明確にしておく必要があります。
また、アフターサポート外のものは一切受けないか?超過サポートとして別料金を頂いて対応するか?も決めておく必要があります。
Webサイト制作に含まれるのか、アフターサポートに含まれるのかを明確に決めておく
この仕事はサイト制作に入る。この仕事はアフターサポートに入る。は決めておく必要があります。
たとえば、WordPress本体やプラグインをアップデートしたことで発生した、表示の崩れや機能が動かないなどの不具合の修正はサイト制作なのか?アフターサポートなのか?
サイト制作ならば自分の落ち度でトラブルを越したわけではないので追加料金をいただくことともできます。
しかし、アフターサポートでアップデートを入れている場合はやはり月額料金内になるでしょう。
SEOなどもそうで、このキーワードで上位に上げて欲しいという要望を受ける場合は、サイト制作なのか?アフターサポートなのか?を決めておかないといけません。
例えば「愛知 弁護士 委託」で上位に上がってこなかったので、今度は「法人 弁護士 委託」であげて欲しいとなった場合、サイト制作なのか?アフターサポートなのか?
現在、AMPが入っているけど外してくれ?はサイト制作なのか?アフターサポートなのか?で対応が変わってきます。
どこまでやるかの線引きは必ず契約書に書く
契約書はあなたの会社を守るための大切なものです。
どこまでやるか? それ以外はサポート対象外と契約書に書いてクライアントに理解していただく必要があります。
よくいただく相談に、こっちはサポート外としていたのに、クライアントはサポート内と考えていて、揉めたという相談があります。
もし裁判所に決着を着けてもらうことになった時に、「契約書がない」「契約書に書かれていない」では、あきらかに不利です。
まとめ
- どこまでやるかは会社次第。でも会社内でどこまでやるかをキチンと決めて共有認識しておく
- アップデートなどもすべてアフターサポートでやるのか?一定のバージョンを超えたら超過サポートにするのか?も考える
- Webサイト制作に入る仕事か、アフターサポートに入る仕事かをキチンと決める
- どこまでやるか線引きは必ず契約書に書く
社内で明確な線引が出来ていないのなら、社内会議でキチンと明確にします。
お客様に納得してもらう必要があるので、そのことは契約段階でキチンと説明します。
プロフィール
- Webサイト保守・管理・運用支援センター長 ハルプレス代表/太田晴信
2018年9月に制作後の保守・管理・運用のサポートと代行会社として「ハルプレス」を設立、2018年11月法人化
またWordPressの勉強会などを実施して、初心者に分かりやすくWebを教える。
Web/ITは常に新しいものが出続けており頂点がない。頂点を極める前に次のものが出てきてシェアを取っていく。
の考えのから、Web/ITに従事する人は常に学び続けなければいけないという使命の元、セミナー、塾、合宿などにつねに率先して学び続けている。
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